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漢方医学のおはなし 3 花粉症と漢方

こんにちは、広瀬レディースドック薬剤師の広瀬久美子です。
只今、花粉症の季節の真っ最中ということで、今回は花粉症の漢方のおはなしをしたいと思います。

この時期は、耳鼻科でもない当院にも花粉症で悩まれている患者様が多数来られます。
妊娠中や挙児希望で薬剤をできるだけ控えたい患者様、授乳中で、乳汁移行が気になるお母様などなど。当然、慎重な薬剤選択が必要となります。


そこで、当院では、漢方薬を選択肢の一つとして活用しております。
代表的な漢方薬はやはり小青竜湯になるでしょう。この小青竜湯はいわゆるダブルブラインドテストでも有効性が示されており、ガイドラインにも掲載されているため、非常に使いやすい漢方薬です。

漢方的には「水毒」といわれる体の中の水分が停滞している状態を改善する漢方薬です。漢方ではこの「水毒」が鼻水や痰などを起こすと考えますので、花粉症の症状緩和に効果があるのです。

しかしながら、漢方薬は体質によって効き目に大きく差が出ます。当然、患者様の体質・症状、または配合されている生薬、「麻黄」の副作用の出かたなどを考慮して、麻黄附子細辛湯、苓甘姜味辛夏仁湯などを使い分け処方いたします。

また、アレルギー体質の方には花粉症のシーズン前から補中益気湯を服用して頂いています。この補中益気湯は、「補剤」と呼ばれる漢方薬の一つで、体内のTh1細胞とTh2細胞のバランスを整える働きがあることが分っています。


通常の健康な人はウイルスや細菌などの外敵を攻撃するTh1細胞と体内に潜んでいる異常な細胞を攻撃するTh2細胞のバランスが取れているのですが、アレルギー体質の方は、その免疫バランスが乱れ、Th2細胞が異常に亢進していると考えられています。

補中益気湯はその異常に亢進Th2細胞を抑制することが分っており、特にアトピー性皮膚炎の患者様によく使われている漢方です。多くの花粉症の患者さんはアレルギー体質であることから、をシーズン前に服用してもらい、体質改善を促し、花粉症の季節に備えてもらっています。

当然、抗ア剤等で問題ないと判断した時は西洋薬も処方し、患者様の症状の軽減と副作用のベストバランスを考えます。特に漢方薬は患者様を診てお薬を決めますので、お電話にてお問い合わせ頂いても、お応えしかねる場合がございます。

漢方相談もしておりますので、お悩みの方当院までお気軽にご来院ください。

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